2025年3月3日、トランプ大統領が円安・ドル高の現状について日本を名指しで批判しました。
なぜトランプ大統領が円安を問題視しているのか、
トランプ大統領の政策が私たち一般人にどんな影響を及ぼすのかをまとめてみました。
なぜトランプ大統領が円安を問題視するのか
アメリカにとって不公平
トランプ大統領は「円安は私たち(アメリカ)にとって不公平」と言いました。
その理由は以下の3つです。
- 貿易赤字が改善されない
- 防衛費負担が大きくなる
- アメリカの雇用が減る
それぞれ詳しく解説していきます。
貿易赤字が改善されない
円安がアメリカにとって不公平な理由1つ目は、アメリカの貿易赤字が改善されないことです。
トランプ大統領は、アメリカの貿易赤字を減らすことを最優先課題としています。
日本は長年、アメリカに対して貿易黒字を維持しており(つまり、日本がアメリカに輸出する額の方が大きい)、トランプ大統領はこれを「不公平」と見なしています。
防衛費負担が大きくなる
円安がアメリカにとって不公平な理由2つ目は、防衛費の負担が大きくなることです。
日本への防衛費は言うなれば輸出と言うことになります。
先ほど貿易赤字と同様に円安だと輸出が不利になることから防衛費の負担も大きくなってしまいます。
そこでトランプ大統領は、日本がアメリカの軍事支援に対して「十分な負担をしていない」と批判してきました。
「在日米軍の駐留費をもっと払うべき」
「アメリカの武器をもっと買うべき」
と主張し、日本に対して「もっとお金を払え」と圧力をかけている状況です。
アメリカの雇用が減る
円安がアメリカにとって不公平な理由3つ目は、アメリカの雇用が減ることです。
トランプ大統領は「製造業の雇用をアメリカに取り戻す」ことを目標にしています。
ですが、円安で日本の製品が安くなるとアメリカの製造業に大きな打撃となってしまいます。
日本の家電が売れすぎる → アメリカの家電メーカーが閉鎖 → 失業者が増える
この流れをトランプ大統領は阻止したいと考えているのです。
なぜ日本に対して税金をかけるのか
日本に対して税金のかける理由は、以下の3つです。
- 日本が円の切り下げをしている
- 日本からの輸入品に追加関税して埋め合わせする
- 日本の自動車の影響力が強い
順番に説明していきます。
日本が円の切り下げをしている
日本に対して税金のかける理由1つ目は、日本が円の切り下げをしていると疑っているためです。
「円の切り下げ」とは日本政府が意図的に円安を容認する政策をとることです。
近年まで日本政府は景気刺激のために金融緩和を続け、結果的に円安を引き起こしてきました。
そしてここ数年で急激な円安とインフレが発生しました。
それをトランプ大統領は日本政府がアメリカに対しての政策と捉えたようです。
日本からの輸入品に追加関税して埋め合わせ
日本に対して税金のかける理由2つ目は、日本からの輸入品に追加関税して埋め合わせをするためです。
円安が収まらない場合、アメリカの製品は金額面で不利な状態が続きます。
日本の安い製品が買われてしまうためです。
そこでトランプ大統領は日本の製品に追加関税をかけて、アメリカの製品より価格を高くしてしまおうと考えました。
日本の輸出品に関税をかけることで、日本企業の競争力を下げ、アメリカ国内の製造業を守ろうと考えているのです。
日本の自動車がターゲット
日本に対して税金のかける理由3つ目は、日本の自動車産業が大きなターゲットのためです。
前トランプ政権時代、トランプ大統領は特に日本の自動車産業をターゲットにしていました。
トヨタ、ホンダ、日産などの日本車はアメリカ市場で非常に強く、アメリカの自動車産業(フォードやGM)は苦戦していました。
・日本車に高い関税をかけることでアメリカ車を有利にする
・日本にアメリカ製の車をもっと買わせるよう圧力をかける
といった政策を進めようとしました。
今回も同様な政策をすることが予測されています。
今後の私たちへの影響
トランプ大統領の政策(円高政策)によって私たち一般人にはどのような影響が出るのでしょうか?
考えられる影響は大きく3つあります。
- 物価高騰が落ち着く
- 海外旅行が行きやすくなる
- アメリカへの投資が不利になる
順番に説明していきます。
物価高騰が落ち着く
私たちへの影響1つ目は、物価高騰が落ち着く可能性があることです。
日本は輸入大国です。
特に食料品についての多くを輸入に頼っています。
円安の影響で輸入品の値段が上がり、食料品の物価高騰が続いていましたが、
トランプ大統領の政策により円高になると物価高騰が収まる可能性があります。
ただ一度上がった物価が下がることは期待しない方が良いかもしれません。
海外旅行が行きやすくなる
私たちへの影響2つ目は、海外旅行に行きやすくなることです。
インバウンドと言う言葉を最近よく耳にしますが、
これは円安のため海外から日本に来る旅行客が多くなったことが影響しています。
しかし、円高になると今度は日本から海外へ旅行しやすくなります。
円の価値が高いため、海外の物が安く買えるためです。
ここ数年の円安で海外旅行を断念した人も円高になれば海外旅行に行きやすくなることでしょう。
アメリカへの投資が不利になる
私たちへの影響3つ目は、アメリカへの投資が不利になることです。
新NISAが開始されたことで投資を始めた人も多いと思います。
中でもS&P500を始めとするアメリカの投資商品を買っている人が多いことでしょう。
円高になるとドルの価値が下がるため、株価が下がっていないのに評価額が下がることが起きてしまいます。
円高ドル安の時のアメリカへの投資は不利になってしまいます。
まとめ
円安を問題視しているトランプ大統領が円高を引き起こす政策をとる可能性はかなり高いです。
円高になった時に起こることを把握しておくと、これからの生活が楽になるかもしれません。
長年デフレ大国だった日本で発生した円安がきっかけのインフレ・物価高騰ですから
ほとんどの人が円高になった場合にどうなるか予測しずらい状況だと思います。
今からどのような流れになるかは慎重に見極めていく必要がありそうですね。
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